| 止まった水
ボートに乗っているときに少年は姉さんに赤い靴をプレゼントしたんです。 すると姉さんはボートの上でその赤い靴を穿いてみたのですが、 その途端、靴はポロッと脱げ落ちて湖に落ちゆらゆらと沈んでしまいました。 少年は潜ってそれを拾いに行きたくても、とても深くて取りに行けなかったのです。 それから数年後に姉さんは病気で亡くなってしまったのですが、 少年は今でもその湖に行くと姉さんはあの時のまま水の中にいて 「赤い靴拾ったよ」といって片足に履いて水面からすっと出て来るような叶わない願いと、 おそれみたいなものを抱いているのです。
★あはっ。盆ということで少し背中が寒くなるようなコメントに仕立ててみました。
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